ナチュラルキラー細胞に関する新発見

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ナチュラルキラー細胞に関する新発見


No6、ロックフェラー大学の科学者ら、ナチュラルキラー細胞に関する新発見を公表

2004年6月25日、ユタ州サンディ発―The Journal of Immunology(ジャーナル・オブ・イミュノロジー)の2月号に掲載されたロックフェラー大学のクリスチャン・マンツ博士、ガイド・ファラッツォ博士によるそれぞれの報告書によると、「身体のナチュラルキラー細胞は感染した細胞を認識し、破壊する能力を得る必要がある」こと、そして「ナチュラルキラー細胞に、常時、栄養を与えなければならない」こと、また「ナチュラルキラー細胞の、腫瘍や感染した細胞を破壊する能力は、誕生時には持ち合わせていない」ことを発見しました。
さらにマンツとファラッツォの両氏は、ナチュラルキラー細胞の機能は、「特定の健全な免疫サポート活動に対して、誕生後、教育され、適応し、的を絞ることを理解し始める」と言っています。

つまり、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は栄養と教育を必要としており、どの細胞が有害であるかという知識を、ナチュラルキラー細胞は生まれつき持っているわけではないということ、また、特定の病気や感染細胞を攻撃するためには、誕生後に教育された結果、様々な状況に適応し、且つ、攻撃対象に的を絞った機能を持つと述べています。


・実は、私たちの体の中の「リンパ球」の70〜80%は「T細胞」、5〜10%が「B細胞」であり、残りの15〜20%の免疫細胞は長い間不明のままでした。この残りの15〜20%にあたる細胞が、1975年に新しく発見された「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」です。
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、NK/T細胞系列の進化において最初に生まれたリンパ球で、形態学的特徴により、大型顆粒リンパ球とも呼ばれています。

NK細胞は1975年に米国のハーバーマン(Ronald B. Herberman)、日本の仙道富士郎教授(山形大学医学部教授:免疫学)等によって同時期に報告されました。そのことによって、健康な人の末梢血中に、がん細胞を殺す能力のあるリンパ球が見出され、1978年頃からNK細胞に関する研究は、米国国立がん研究所(National Cancer Institute)などで進められ、NK細胞が、がん細胞だけでなくウイルス感染細胞も殺すことを突き止めました。 ウィルス感染によるナチュラルキラー細胞(NK細胞)の反応は以下の通りです。
ナチュラルキラー細胞の働き私たちの身体は、ウィルス(左図の黄色部分)に感染すると、それと同時に各免疫細胞も順次反応します。

ウィルスが進入すると、マクロファージなどが放出するタンパク質性物質、@サイトカイン「TNFα(腫瘍壊死因子)、IL12(インターロイキン12)、INFα(インターフェロンα)」などが、「ウィルス進入」と言うシグナルを出し、それを受け取った免疫細胞のANK細胞、BキラーT細胞、C抗体が、順次活動を開始します。
NK細胞は、単独でウィルスに立ち向かいますが十分に機能するまで1〜2日を必要とし、その後活性化されます。

ごらんの通り、ウィルス感染後、最初に活動するのがナチュラルキラー細胞(NK細胞)です。

そればかりか、後に、がん細胞に接着しこれを殺しているこのNK細胞は、すでに健康成人の末梢血中に一定数存在し、T細胞やB細胞が抗原で刺激されてはじめて働くのとは異なり、常に体内を独自でパトロールする頼もしい、「殺し屋」だと言うことも判明しました。

・発見後、研究の結果、ナチュラルキラー細胞の様々な役割や働きが判明しています。
@ナチュラルキラー細胞は文字通り生まれついての殺し屋。殺傷力が高く、常に体内をパトロールし、ガン細胞やウイルス感染細胞を見つけると、単独で直接殺す。
ナチュラルキラー細胞は、感染や病気から身体を守るのにとても大きな役割を果たす。このナチュラルキラー細胞は体内で他の細胞と直接接触することにより、感染した細胞または悪性の細胞を発見、破壊する。特にガン細胞やインフルエンザなど、ウィルスに感染した細胞、細菌に対して素晴らしい働きをする。

Aナチュラルキラー細胞が欠乏すると、ガン、後天性・先天性免疫不全症状、慢性疾患、感染症、自己免疫疾患、遺伝子疾患、行為障害などの疾病に罹りやすい。

Bナチュラルキラー細胞の活動があまり活発でない若者はガンに罹り易い傾向があり、加齢と共にナチュラルキラー細胞は減退、病原体を攻撃する機能も衰える。

Cストレスや慢性的ストレスによる倦怠感、身体的損傷は免疫不全をもたらし、ナチュラルキラー細胞の活動が抑制されストレスに継続的にさらされると、ナチュラルキラー細胞の活動が停滞しガンの進行が加速され、ナチュラルキラー細胞が十分に機能しなくなると、他の免疫系統も完全に機能することができなくなる。

・そして今回、ロックフェラー大学のクリスチャン・マンツ博士、ガイド・ファラッツォ博士らによって、ナチュラルキラー細胞の上記機能は、人が生まれながらに先天的に備わっているものではなく、抗原の侵入や自己の異常細胞の様々な状況に応じその都度教育され、個々の状況に適応し、攻撃対象に的を絞り対処する機能が、後天的に習得・備わると発表したのです。と同時に、ナチュラルキラー細胞を機能させるには、必要な栄養を与えなければならないことも指摘しております。

・ではナチュラルキラー細胞を教育する、ナチュラルキラー細胞を元気づける栄養とは何でしょう?
ナチュラルキラー細胞を活性化するものは、マクロファージなどで産生される生体機能調節タンパク質のサイトカインが有名です。

マクロファージが産生する免疫物質であるサイトカインは、近年、免疫系だけではなく、
神経系
(運動神経系、知覚神経系、自律神経系)、内分泌系(脳下垂体、甲状腺、生殖腺、副腎などから分泌されるホルモン)の生体の重要な機能も調節している、生理活性因子であることが判ってきました。

そのサイトカインには、トランスファー因子、インターロイキン、TNFーα、インターフェロンなどがありますが、今回の新発見で、これらへの研究がさらに進められることを願わずにはいられません。



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