痛風発作に関与するのは免疫細胞の白血球:免疫力の異常?

 免疫プラザ 白血球は、関節に溜った尿酸結晶を異物と誤認して攻撃。この時、に白血球が放出する活性酸素やプロスタグランジンが毛細血管を拡張させるので、赤みや腫れ、激しい痛みを伴う炎症を引き起こし、痛風発作が発症します。

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痛風発作に関与するのは免疫細胞の白血球


痛風とはどんな病気でしょう?

痛風とは、血液中に含まれる尿酸という物質が異常に増え、関節や腎臓などに沈着して、激しい痛みを伴う炎症を起こしたり、臓器などの働きを悪くする病気です。風に当たるだけでも、炎症した関節に激痛が走ることから、「痛風」と名づけられました。
昔から高タンパク高カロリーの食事や飲酒、それによる肥満などが原因と考えられ、マケドニアのアレキサンダー大王やフランスのルイ14世など、多数の王侯貴族、ニュートンやナポレオンなどが痛風だったことから、「帝王病」「ぜいたく病」という異名もあります。

痛風は、ほとんどの場合、ある日突然何の前ぶれもなく、足の親指の関節に激しい痛みや腫れを伴って起こります。これを「痛風発作」といいます。痛風発作の痛みの程度は極めて激しく、骨折した時の痛みを、はるかに通り越しているといわれる程です。
ただ、初期のこのような激烈な痛風発作は、放置しておいても早ければ2〜3日、遅くても2週間以内には治まるのが普通です。
しかし問題は、痛風が急性から慢性化へと進むことです。
初期の処置を放置したまま痛風発作を繰り返していると、やがて痛風の関節炎は、急性から慢性状態へと進みます。こうなると、尿酸はからだのさまざまな部分に沈着し、足首、膝などあちこちの関節を狙い撃ち、炎症を起こし痛むようになります。そればかりか、腎臓や心臓、脳など、さまざまな臓器に重大な障害を起こし、合併症を招きます。
これらの臓器では、関節で起こる痛風発作のような自覚症状がないことが多く、知らない間に病気が進行して手遅れになりがちです。ここが痛風という病気の本当に怖いところでしょう。


では、痛風発作の原因はなんでしょう?

痛風発作の流れは、おおよそ下記のようになります。
プリン体(語源はラテンのプリンヌクレオチド)の代謝異常血中尿酸値増加(高尿酸血症=痛風の予備軍)尿酸結晶生成白血球の攻撃痛風発作(関節炎症・激痛)臓器などへの合併症

私たちのからだの遺伝子DNA(デオキシリボ核酸)を合成する物質の一つに、プリン体という分子があります。このプリン体(プリン体は、ほとんど全ての食品にも含まれています。特にプリン体の多い食品としては、煮干、かつおぶし、レバー、肉類などがあります。また、アルコール類、特にビールには、多くのプリン体が含まれています。)は生命維持に必要な細胞の中の核酸の合成にも関係する物質ですが、代謝しきれなかったものは分解され、老廃物として尿酸となって主に腎臓から体外に排出されます。

痛風発作の原因はこの尿酸という物質が関わっており、体内の尿酸が異常に増えて起こります。体内の尿酸が異常に増えた状態を「高尿酸血症(痛風の予備軍)」といいます。高尿酸血症の状態が続くと、尿酸は水に溶けにくいため結晶となって、体内のいろいろな部分にたまるようになります。

尿酸はどんな人のからだの中にも一定量(正常値:男性4.0〜7.0mg/dl、女性3.5〜5.5mg/dl)あって、血液などに溶けてからだを循環し、尿や便と共に体外へ排泄されます。ところがプリン体の代謝異常などから、血液中の「尿酸値」の濃度が上昇して正常値を越えていくと、からだの中に蓄積されるようになり「高尿酸血症」状態になります。続いて、水に溶けにくく排泄されなくなった尿酸は、ナトリウム(Na)と結合して尿酸塩を作り結晶になります。これを「尿酸結晶」といいます。

尿酸の濃度が高い状態が続くと、この尿酸結晶が関節の内面に沈着していきます。足の親指の関節は尿酸結晶を蓄積する最も一般的な場所で、初期の急性痛風発作では、そこがターゲットになります。また、尿酸結晶が腎臓に溜まると腎臓障害(腎結石)を引き起こします。

ただし、尿酸が結晶化するだけでは痛風発作は起こりません。痛風発作に関与するのは免疫細胞である白血球です。痛風発作が起き、激痛にみまわれている時、体内では尿酸結晶と白血球の熾烈な戦いが展開されています。いや、より正確には、白血球の一人相撲といったところでしょうか?

白血球は、関節にたまった尿酸結晶を侵入してきた「異物」と誤認して反応し、この部分にたくさん集まって、攻撃をしかけ食べてしまおうとします。この時に白血球が放出する活性酸素やプロスタグランジンが毛細血管を拡張させるので、赤みや腫れ、激しい痛みを伴う炎症を引き起こし、痛風発作が発症します。
しかし尿酸結晶は細菌などではない物質なので、どんなに攻撃されても反応せず分解もされません。それどころか白血球は内側から破れ力尽きて死んでしまいます。その過程で乳酸が発生し血液をさらに酸性化させるので、より尿酸が結晶化しやすくなる悪循環に陥ります。


では、血液中の尿酸値が増える主な原因は何でしょう?

尿酸値が増える主な原因は、三つあります。

一つ目は尿酸が過剰合成される場合:つまり、プリン体の過剰摂取、過食や美食、多量のアルコール摂取、過度の運動や筋肉疲労、脱水、継続的なストレス等によって「メタボリック症候群の原因とされる内臓脂肪型肥満などで、尿酸が作られやすい状態になっている」場合。

二つ目は腎臓からの尿酸の排泄が低下している場合:つまり「尿酸を排せつする仕組みがうまく機能していない」場合。

三つ目は上記二つが並行して起こる場合です。

しかしそれでも、尿酸が過剰につくられる本当の理由、プリン体の代謝の仕組みになぜ破錠が生じるかについてはいまだに不明です。過剰なプリン体が尿酸に分離される際、代謝過程で狂いが生じると、尿酸が過剰に生産され尿酸値が増えるわけですが、なぜ代謝過程で狂いが生じるのか、それが問題です。
考えられることは、大まかですが、「体内システム全体」のバランスの狂いにあるのではないかと思われます。


その痛風が、20〜30代男性、さらに女性にも増加傾向にあります!

痛風患者数食糧事情の悪かった時代は「日本には痛風なし」といわれてましたが、食生活の欧米化に伴って患者数が増え、すでに罹患率では欧米を上回っているといいます。
患者数は30万人以上、痛風予備軍といわれる高尿酸血症にいたっては、成人男性の20%といわれます。

痛風になる人はほとんどが20歳以上の男性で、これまではとりわけ40〜50代の中高年の男性に集中していましたが、ここへきて次第に20代〜30代の若年層にも広がり、さらに高齢化社会を反映して高齢者の患者も増える傾向にあります。
厚生労働省の2004年度の調査によると、34歳以下の患者数は、2万9000人でしたが、今はさらに増加が加速されているようです。

女性の罹患率は全体の5%以下と少なく、これまでは女性が痛風になるのは稀だというのが定説でした。これは女性ホルモンに腎臓からの尿酸の排泄を促す働きがあるからで、閉経後に女性ホルモンの分泌が減ると尿酸値は少し上昇します。つまり50歳を越えると男女の尿酸値の差は小さくなります。
しかし近年、利尿剤を使った誤ったダイエットの結果もあって、若い女性にも痛風の発症がみられ、これも次第に増加傾向にあります。

痛風の人は60%が肥満であるという特徴があり、高血圧(80%)、高脂血症、糖尿病などの病気を持っている場合が多く、これらの疾患の有無も確認する必要があります。


痛風予防のポイント

@ビタミン・ミネラル・食物繊維など栄養バランスの良い食事を摂る。
A免疫力のバランスを整える食品、抗酸化食品を摂る。
B食事の量に気をつけ、体重をコントロールする。
C種類に関係なく、アルコールの量を減らす。
Dお茶などの水分を多く摂る。脱水症状は尿酸値を上げるので要注意。
E歩く、水泳などの有酸素運動を心がける。急激な運動は禁物。
Fストレスをため込まない。特に、飲食以外の方法でストレスを発散する。



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